(財務省資料)1月の経常赤字が過去最大。←原因は円高と燃料価格(5倍の価格で購入のLNG)の上昇。




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記事を見ると、ふと気になりました。
なぜ、共同通信がこんな書き方をするのかと。

財務省の出典が、そういう書き方だったからなのですね。

2012/03/08 10:17 【共同通信】


 財務省が8日発表した1月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す経常収支は4373億円の赤字となった。赤字額は比較可能な1985年以降で最大。

タイトルで、円高について触れています。
いつも通り、原発停止による影響でと言った、表現に触れていません。

気になったので、出典の財務省の資料を確認すると、確かに触れていません。
(以下の資料を読む事がめんどくさい方は、、赤字と黄色の箇所だけ見て下さい)

平成24年3月8日財務省平成24年1月中 国際収支状況(速報)の概要 予備  

(1) 貿易収支:▲1兆3,816億円の赤字(前年同月比▲9,822億円 赤字幅拡大)


海外景気の下ぶれ等を受けて輸出が減少し、また、鉱物性燃料の価格上昇等により輸入が増加した結果、貿易収支は4か月連続の赤字となった(貿易収支の赤字額は既往第1位、第2位は平成21年1月の▲8,448億円)。
� 輸出:4兆3,536億円(前年同月比▲4,041億円[▲8.5%] 減少)
前年同月比で4か月連続の減少(前月:▲7.0%減)。
� 輸入:5兆7,352億円(前年同月比+5,781億円[+11.2%] 増加)
前年同月比で25か月連続の増加(前月:+9.8%増)。



[参考1] 平成24年1月分貿易統計(通関ベース:財務省関税局2月27日付公表)

(1) 輸出:4兆5,105億円(確報値:前年同月比▲4,598億円[▲9.3%] 減少)
� 「主要地域別」では、対アジア(同▲3,734億円[▲13.7%]、うち中国(同▲1,871億円[▲20.2%])、対EU(同▲438億円 [▲7.6%])、対中東欧・ロシア等(同▲200億円[▲15.7%])等が減少。
� 「商品別」では、半導体等電子部品(同▲442億円 [▲15.8%])、鉱物性燃料(同▲352億円[▲33.8%])、鉄鋼(同▲332億円 [▲11.4%])等が減少。

(2) 輸入:5兆9,873億円(9桁速報値:前年同月比+5,376億円[+9.9%] 増加)
� 「主要地域別」では、対アジア(同+2,393億円[+9.7%]、うち中国(同+937億円[+7.6%]))、対中東(同+1,363億円[+13.5%])、対大洋州(同+622億円[+16.7%])等が増加。
� 「商品別」では、液化天然ガス(同+2,323億円[+74.3%];数量は+28.2%)、原粗油(同+1,170億円[+12.7%];数量は▲2.1%)、石炭(同+486億円[+26.6%])等が増加。

[参考2] 原油価格(石油連盟)
�ドルベース:113.34米ドル/バレル(対前年同月比+23.4%)
�円ベース:55,105円/キロリットル(対前年同月比+15.2%)

財務省の説明によれば、輸入増加、5376億円のうち、3979億円が燃料費の上昇です。


円ベース(円価格に換算)の価格価格も上昇しているので、円高による価格下落よりも、資源価格上昇の影響が大きかったことを示唆しています。

よくよく見ると、液化天然ガスのほうが、価格上昇に占める割合が多いのに触れてません。
理由は簡単です。

日本だけ、5倍近い価格で、天然ガスを買わされている。
つまり、ぼったくられているからです。



藤末 健三2012年2月16日(木)


一方、世界の天然ガス市場は、米国、欧州、アジアの3地域に分かれており、それぞれ価格決定システムが違う。米国内の需給により決定される米国の天然ガス価格(グラフの「ヘンリーハブ価格」)は、シェールガスの生産拡大により需給が緩和し、下落している。このため、3地域の価格が大きく乖離している状況にある。北米と日本での価格差は、4~5倍にもなっている。


予備 緑色;ヘンリーハブ価格(米国)  青色;LNG輸入価格

不思議なことに、北米とアジア向けの価格差が拡大しているのに、対策をとっていません。
無論、米国の場合、整備されたパイプラインに繋げればいいので、一概には比較できません。

スポット価格で高いのであれば、長期契約にすることや出資するなどやり方は、あったはずです。
高い価格で購入してきたというのは、電力会社の総括原価方式による怠慢でしょう。





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