武田邦彦教授が、おかしな発言。福島第一原発4号機燃料プールが破壊しても上から水をかければ大丈夫←武田さん状況を、知らない?

武田邦彦さん、とんでもないことを言っているなと思い驚きました。

ご本人としては、核燃料の冷却に焦点を当てて述べていると思うのですが、こういった事をさらっと言えるところに、科学者の恐ろしさを少し感じます。

論点としては冷却に焦点をあてているので、燃料取り出しなどは別の話をしています。無論、水がかかるのと、水が溜まるのも別の問題でしょう。

4号機使用済燃料プールの現状は、下記の通り。
武田さんの該当箇所のみ興味のある方は、飛ばして下さい。


◇現在の状況

使用済み燃料の取出しは、クレーンを設置しても、現在不可能です。

▲(超重要)動画と報道まとめ(NHKと共同通信以外、主要5社は報道せず)4号機使用済み核燃料プールの燃料取り出し、一層透明度が低くなり、現状では不可能なことが明らかに。

フリージャーナリストの木野龍一さんが、建屋の傾きについて指摘。その指摘後すぐに、東電が測定やひび割れについて、測定すると発表した所です。

▲(動画 文字起こし)福島第一原発の傾きの有無を、目視で確認と回答!地盤の測量は未だせず!原子力安全保安院の発言が、既に英語で発信されており情けない…

▲(重要)東京電力、福島第一原発4号機、建屋の傾きをレーザーで測定・ひび割れの幅なども測定する模様。5月16日東京電力定例会見


◇政府の危機管理能力

この4号機に対する政府の対応はと言うと。
注水の状況1つとっても、まともに報告がでてこない状況が続いています。
最近で言うと、北朝鮮のロケット発射失敗の時に、情報伝達が杜撰でした。

▲(続報)福島第一原発4号機使用済み核燃料プールの情報は、担当者が北朝鮮ミサイル情報集約担当の仕事中のため、当面放置。

では、4号機は万全かと言うと、木野さんが指摘している通り。
加えて、公開されている写真を見ていると、つっぱりが入っているだけのようにも見えます。
施工過程を撮影した写真が他にもあるはずです(建設業では当たり前)。

▲東電による福島第一原発、4号機の使用済み核燃料プール補強工事の写真。問題点が多そうだが・・・馬渕さんは説明して欲しい・・・


◇日本政府が隠していること

管理人が、考えるのは、武田さんがご存知ない(スルー?)のだと思いました。
日米の両政府で4号機の使用済み核燃料が破損した前提で話が進んでいます。

破損したかもしれないものに衝撃与えて大丈夫とはならないでしょう。

▲(重要:隠蔽)環境省が2月に、日米で損傷した使用済み燃料の処理、廃炉に数十年かかると議論したことなどを隠している。

▲環境省が2月に米国ハンフォードで非公開の除染ワークショップ。アメリカの除染企業CH2M HILLが、除染利権に参入する可能性が益々高まった。

ここまでを踏まえれば、この動画は、間違っていないと思います。

▲【3分の動画:ZDF:日本語】4号機燃料プールが崩壊すれば日本の終わりを意味する。






▲(超重要)動画と報道まとめ(NHKと共同通信以外、主要5社は報道せず)4号機使用済み核燃料プールの燃料取り出し、一層透明度が低くなり、現状では不可能なことが明らかに。


小出裕章

もう見ていただいて分かるように
ここにプールがあって
その底に使用済み燃料がたくさん溜まっている
もしこれから大きな余震でも起きて
ここの壁が崩壊するようになれば
プールの水が抜けてしまいますので
使用済みの燃料を冷やすことができなくなる
そうするとどんどん更に溶けてしまうということになって
使用済み燃料がたぶん全て溶けてしまうだろうと思います
そうなると使用済み燃料の中に含まれていた膨大な放射能が
何の防壁もないここから外に噴き出してきてしまう

<地震が来ない内に使用済み燃料を抜き出して>
<横にプールでも造って移せばいいんじゃないですか>

ところが使用済み燃料を空中に吊り上げるようなことをすると
使用済み燃料から膨大な放射線が飛び出してきていますので
周辺の人達はもう死んでしまうしかないというくらいの強い

オペレーションフロアの上に
巨大なクレーンのようなものが見えます
これがクレーンで
実は巨大な容器を吊り上げたり
吊り降ろしたりするためのクレーンなんですが
もうこの建屋自身がもう爆発で吹き飛んでしまっていますから
もうこのクレーンすらが使えない

やらなければいけないことはたくさんあって
まずは使用済み燃料プールの中に崩れ落ちてしまっている
瓦礫などをどけなければいけない
そしてどけた後に巨大な容器を沈められるように
何らかのクレーンのようなものを
現場で動かせるようにしなければいけない
外から巨大なクレーンで吊るということができるでしょうから
その準備をする
そして沈めて
もうたぶん何がしか壊れているであろう使用済み燃料を
巨大な容器に入れて
それをまた外に吊り上げるということをやらなければいけない
ただそういうことを全部やろうとすると
たぶん何年という単位が必要になるだろうと思います

<その何年という間に建物を壊すような地震が来たら>

おしまいです


管理人の武田さんに対する疑問がいくつか。
無論、4号機の使用済み核燃料の冷却に焦点を当てていることもあるのでしょう。

(1)使用済み核燃料が壊れている前提で話をしているのか

(2)水が本当にかかるのか、かかったとしてその水は垂れ流し?

(3)収束作業がより長期化する

(4)1~3号機・共用プールの作業に影響がでるのではないか

(5)誰が近づいて作業するの?

武田教授が、燃料棒が破損していない前提で話をしているように思えるのは、私だけでしょうか?武田さんが指摘の内容とは異なりますが、下に落下すると確認作業が困難を極めるのは言うまでもありません。






 4号機のプールが危険だという人が多いのですが、その根拠が学問的に示されず、ただ「危険だ」、「人類の終わりだ」ということが先行しています。ここで「4号機の問題を科学で考える」ことを試みます。もしご異論がある方は科学的な反論を期待します。

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原子炉は停止すると核爆発は止まり、その後、最初は短寿命核種が崩壊してその崩壊熱が高いが、短寿命核種は早い時期に崩壊するので、どんどん崩壊熱は低くなる。


東北大学流体力学研究所がネットに一般公開している論文(この図)によると、この図のように原発を停止してから3日ぐらい経ったときに、約8メガワットぐらいの出力がある。もともと運転中は核爆発による質量欠損を加えて800メガワットで、そのうち10%が崩壊熱とされているので、停止の時が80メガワット、さらに3日後にその10%の8メガワットになっている。


さらに原子炉の方は1年後には、さらにその10分の1の0.8メガワットになっている。つまり原子炉は、運転中:停止直後:停止3日後:停止1年後=1000:100:10:1 となっていることがわかる。


一方、使用中および使用済み核燃料の方は短寿命核種がないので、崩壊熱も徐々にしか減らない。たとえば4号機は事故の時に4メガワットだったが、1年後はその2分の1の2メガワットにしかなっていない。つまり、かつては1号機から3号機の方が崩壊熱が高かったのに、今では4号機のプールがもっとも崩壊熱が高いことになる。これが「4号機が危ない」ということになっている原因と思われる。


ところで、エネルギー換算では1キロワット時は860キロカロリーだから、動力単位で2メガワット(メガは10の6乗)は2000キロワット(キロは10の3乗)、つまりエネルギー単位で1時間で2000キロワット時になるので、それをエネルギー単位のカロリーで表現すれば172万キロカロリーである。燃料プールの中の水が突如として無くなり、空だきになったときには、毎時172万キロカロリーの熱が出ることになる。


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一方、20℃で1キロの水を燃料プールの投入すると、それが100℃まで上がる時の熱(顕熱)80キロカロリーと100℃で蒸発するときの潜熱539キロカロリーの合計だから、1キログラムの水で619キロカロリーの熱を奪うことができる。つまり、172万キロカロリーを619キロカロリーで割ると2779キログラム=約3トンの水ということになる。


1時間あたり3トンの水を4号機に投入できれば、4号機の燃料プールは100℃にすることができる。蒸気がでるので少し気持ちが悪いけれど、セシウム化合物の沸点より低いし、ヨウ素などの気体の放射性物質はすでに少なく、かつ100℃では燃料の被覆に使われているジルコニウムなどが水と反応するような高温ではない。


つまり若干の放射性物質が出る可能性もあるが、「すべてが終わり」というような状態とは全く違う。だから問題は1時間3トンの水を4号機のプールに入れることができるかということだが、2011年3月20日、つまり事故直後に消防車が4号機に注いだ水が1時間80トンだったから、その20分の1以下の水量だから、十分過ぎるほどで、水の蒸発はほとんど無く4号機のプールから放射性物質が大量にでることはないことがわかる。蒸気の計算に20倍の甘いところがあっても大丈夫ということになる。


また、プールが崩壊して燃料棒が4号機の床に落下してもその上から水をかければ良いので、これも同じである。従って、4号機のプールが破壊して燃料棒が落下しても、プールは破壊せずに水だけが抜けても、若干の消防車が駆けつければ冷やすことができる。燃料同士がバインドされていないので、大規模な臨界に達することもない。


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このような計算をすると、「4号機が危ない」ということにならないのだが、計算が複雑だから私が間違っているかも知れない。読者の方のチェックを期待します。


(平成24年5月15日)

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