スチレンの毒性 利根川に流出で東部地域水道が一時取水停止 ホルムアルデヒド事件と同じ構図




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スチレンが利根川に流出したようです。発泡スチロールの原料ですね。

群馬県の東部地域水道が一時取水停止したようです。利根川の上流側から、有害物質が漏洩するということで、ホルムアルデヒド事件と同じ構図ですね。

追記 ※報道ではあまり触れられていませんが、利根川水系の韮川になります。

埼玉県の上流



浄水場の場所が、下記になります。
利根川水系でいうと、埼玉県のすぐ上流側に当たります。


▲ホルムアルデヒド事件。千葉県だけ断水が長期化した理由、千葉県水道局などが野田市に、いい加減に対応していたことが原因と判明!


今の所、報道では特に見つけられなかったのですが、量が少ないとは言え、下流の自治体や浄水場にはきちんと報告したのでしょうか?

※下記画像は、ホルムアルデヒド検出の際の流用です。今回は、スチレンです。






化学物質流出で取水停止 量は少ないと説明




産経新聞 6月5日(火)7時55分配信
 県は4日、利根川に合流する伊勢崎市富塚町の韮川に、化学物質「スチレン」を含む溶液約40リットルが流出したとして、東部地域水道(千代田町)の取水を約4時間にわたって停止した。

 県はオイルマットなどを使って大半を回収したと説明。「生活環境への影響は少ないとみられる」としている。水道課によると、県に同日午後1時35分ごろ、同市富塚町の事業所でスチレンを含む溶液の入った容器が破損し、一部が側溝を通じて韮川に流出したと連絡があった。県は午後4時半から、安全のため下流の東部地域水道で取水停止した。

 スチレンは発泡スチロールなどの原料として利用される化学物質。水質汚濁防止法で、大規模流出の際は応急措置が必要な「指定物質」に指定されている。

また化学物質流出のようです。
水を供給していたエリアが下記の紫色の部分です。


現在の県営水道





群馬県HP東部地域水道は、千代田町にある利根川左岸の取水口から水を取り入れ、濁りの除去や消毒を行って、水道水をつくっています。

所在地邑楽郡千代田町大字赤岩
水源利根川
供給開始平成9年10月
供給区域
太田市、館林市、大泉町、板倉町、明和町、千代田町、邑楽町 
施設能力
40,750m3/日
設備の概要
フロック形成池:上下迂流式
沈澱池:傾斜板付き横流式
ろ過池:砂ろ過単層(自己水逆洗浄重力式)急速ろ過
浄水処理方法
前、中、後塩素処理、粉末活性炭処理
汚泥処理方法
長時間加圧脱水機






化学物質の危険性を説明した、MSDSというものがあるので紹介。
長いので、一部抜粋

追記 より細かいものが気になる方はこちらをご参照

危険有害性情報
・引火性液体及び蒸気

・飲み込むと有害のおそれ
・皮膚に接触すると有害のおそれ
・吸入すると有害
・皮膚刺激
・強い眼刺激
・臓器(中枢神経系)の障害
・呼吸器への刺激のおそれ
・長期又は反復ばく露による臓器(呼吸器系、神経系、血液系、肝臓)の障害
・飲み込み、気道に侵入すると生命に危険のおそれ
・水生生物に毒性

注意書き
・すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
・この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
・熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。
・防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用すること。静電気放電や火花による引火を防止すること。
・個人用保護具や換気装置を使用し、ばく露を避けること。
・保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
・屋外又は換気の良い区域でのみ使用すること。
・ガス、ミスト、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
・取扱い後はよく手を洗うこと。
・環境への放出を避けること。
・火災の場合には適切な消火方法をとること。
・吸入した場合: 空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
・眼に入った場合: 水で数分間、注意深く洗うこと。コンタクトレンズを容易に外せる場合には外して洗うこと。
・皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
・飲み込んだ場合: 無理に吐かせないこと。
・眼の刺激が持続する場合は、医師の診断、手当てを受けること。
・気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
・皮膚刺激があれば、医師の診断、手当てを受けること。
・容器を密閉して涼しく換気の良いところで施錠して保管すること。
・内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。




6.漏出時の措置
人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

・屋内の場合、処理が終わるまで十分に換気を行うこと。
・漏出した場所の周辺に、ロープを張るなどして関係者以外の立入りを禁止すること。
・処理作業の際には保護具(ゴム手袋、保護眼鏡、保護衣、呼吸用保護具等)を着用し、飛沫が皮膚に付着したり、ガス・蒸気を吸入しないようにすること。
・風上から作業し、風下の人を退避させること。
・着火した場合に備えて、消火用機材を準備すること。
・多量の場合、人を安全に退避させること。

環境に対する注意事項
・河川等に排出され、環境へ影響を起こさないように注意すること。
・悪臭等の刺激性が強いので、周辺の住民に漏洩の生じたことを通報する等の適切な措置を行うこと。

回収、中和
・少量の場合、乾燥土、砂や不燃材料で吸収し、あるいは覆って密閉できる空容器に回収する。後で廃棄処理すること。
・大量の場合、盛土で囲って流出を防止し、安全な場所に導いてから回収すること。
・水上に流出した場合、吸収材を使用して回収すること。

封じ込め及び浄化の方法・機材
・危険でなければ漏れを止める。
・漏出物を取扱うとき用いる全ての設備は接地する。
・蒸気抑制泡は蒸発濃度を低下させるために用いる。




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