2013/02/05

がれき焼却表明の新潟県5市長の合同記者会見文字起こし


がれき焼却を新潟県で表明した5市長が、合同記者会見を開きました。新潟県5市長のがれき償却に対する考え方と、がれきの量が減少している現実を考えると、不自然な点が見えてくるのではないでしょうか。

この記事は、たむごんとはまじゃやさんが書きました。

  • 大槌町から受け入れる震災がれきは6300tから300tへと激減。
  • 岩手県の一日の処理能力が1000tなので地元で1日かからず処理できる。
  • がれき受け入れ側と新潟日報で知事に対して日頃の内輪話を窺わせる部分がある。
新潟県でがれき焼却を表明した、5市で合同記者会見を行いましたが、その要約が上記です。記者会見の内容を見ると、5市長と記者のやりとりで不自然さを感じる人もいるのではないでしょうか。

災害廃棄物広域処理に関する新潟5市市長記者会見

(2013年1月26日、17時~於:三条市役所)
出席者(敬称略)
  • 三条市長・国定勇人
  • 長岡市長・森民夫
  • 新潟市長・篠田昭
  • 柏崎市長・会田洋
  • 新発田市長・二階堂馨
国定市長あいさつ
三条市長・国定勇人氏
それではただ今から新潟市長岡市三条市柏崎市新発田市の5市 によります災害廃棄物の広域処理への対応に関する共同の記者会見を開催させていただきたいと存じます。まずはじめに本日の出席者を紹介させていただきたいと存じます。

はじめに新潟市長・篠田昭様でございます。長岡市長・森民夫様でございます。柏崎市長・会田洋様でございます。そして新発田市長・二階堂馨様でございます。最後に三条市長の国定でございます。よろしくお願い申し上げます。

本日の司会進行は私の方で進めさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いを申し上げます。

それではまず始めに、本日の案件になってございます災害廃棄物の広域処理への対応につきまして、総括的に新潟市長さんの方からご説明をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

(1)新潟市長による総括…「貢献」という名の「がれき分配プラン」

要約

  • 岩手県大槌町の木くずの広域処理依頼量は、2012年8月:2万2500t→1600tへと激減、環境省が2012年度内での木くず処理完了を発表。
  • 県内5市への依頼量は同時期で6300t→300tに激減(試験焼却分込)。新たな受け入れ量は256t。
  • 試験焼却済の三条市、柏崎市、長岡市の3市で今年度中に受け入れを終了する。三条市:145t、柏崎市:111t、長岡市:19.5t(新潟市試験焼却分)
  • 今後の支援としては大槌町の産品を販売あるいは販売支援

がれき激減の謎はそのままに300tが割り当てられる不思議

新潟市長・篠田昭氏
はい、それでは私の方からまず申し上げます。皆さんご承知の通り、昨日環境省から災害廃棄物の広域処理について新たな発表があったということであります。

岩手県大槌町の木くずの広域処理依頼量、昨年8月時点では2万2500tとということになっておりました。それが1600tへと大幅に減少したということでありました。環境省ではこれを受けて、岩手県内の木くずの処理、今年度内に終了するという方針を明らかにしました。

これに伴いまして、県内5市への受け入れ依頼量、昨年8月の6300tから300tに大幅に減少ということになりました。これは試験焼却のために三条市・柏崎市・新潟市3市ですでに受け入れている44トンを含んでいるといういことですので、新たな受け入れ量は256tとなるということになります。

このまあ、木くずの減少理由などは国の方から発表があったとおりであります。そうしますとまあ、新潟県内の5市は全国基準で最も厳しい100Bq/kg以下という基準を設けておりますので、これに適応するがれき=木くずがなくなった、なくなっているというような状況であります。

まあ、これについては基本的に広域処理が進んで、今年度中に木くずの処理が終わるということで、被災地域にとっては良いことであるというふうに受け止めております。この状況を受けまして、これまで県内5市で連携して我々取り組んできたということでございましたので、5市で協議をしてその結果であります。すでに試験焼却を終えていただいた三条市さん、柏崎市さん、長岡市さん、この3市で今年度中に受け入れを終了するということで協議の結果が出ました。

各市の一日の受け入れ能力をもとにしまして、新たに受け入れる256tについては、資料も配布してありますかね、あの三条市さんが145t、柏崎市さんで111t処理をいただくと。長岡市さんについては、現在新潟市が保管をしている19.5t、この災害廃棄物をお引き受けいただいて処理をしていただくということで協議が合意をみたということであります。

「東北の食品を販売する」とプラン明かすも新潟県知事をとことん無視

これからは速やかに岩手県などにお知らせをし、そして焼却処理、国の方針通り年度内に終了するということにしたいと思っております。まあ大変大幅な減少ということで驚いているわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、被災地域にとっては前進であるということだと思っております。

今後我々、岩手県 さんへの支援などについても、やっていきたいというふうに思っております。まあ、職員派遣、あるいは物産を販売するなどの面からいろいろご協力ができるだ ろうというふうに考えております。私からはまず以上です。


国定市長
はい、大変ありがとうございました。それでは続きましてそれぞれの市長さんから一言ずつご発言をいただきたいと思いますので、まず柏崎市長さんからお願いしたいと思います。

震災がれき広域処理に関する新潟県5市の対応

柏崎市……現地視察でもがれき激減に気づかなかった市長が安全を主張

要約

  • 柏崎市の広域処理受け入れは中越沖地震の恩返しであり、市民から後押しの声こそあれ、反対の声はほとんど聞かれない。
  • 試験焼却の結果、専門家からは安全上基本的に問題がないという意見「も」ある。
  • 昨年末市長が現地視察したが、大槌町に「がれきの放射能汚染を心配する人間は一人もいない。」

中越沖地震の「恩返しに反対の声ほとんどなし」の眉つば

柏崎市長
柏崎市長でございますが、えーっと私どもは、えーっと、うん?座ってやります?じゃあ、座りましょうか。平成19年 の新潟県中越沖地震でごみの焼却施設の煙突が被災をいたしましてですね、いわゆる廃棄物の処理ができなくなりました。そのために全国の多くの自治体の皆さんからご協力をいただいてですね、この廃棄物の処理、処分をですね、進め、これがまた早い震災からの復旧・復興に結びつけることができたというふうに思っております。

このことは柏崎市民共通の思いでありまして、そういった際のご恩にですね、この際、東日本大震災の被災地への支援で恩返しをしたいという市民の皆さんがみんな持っておられるということでございます。えー柏崎市ではですね、多くの方々がこの災害廃棄物の受け入れについてですね、励ましやら後押しをしていただく、そういう声が非常に多く私のところへですね、寄せられておりまして、逆に反対という声はほとんど聞かれないという状況でございます。

なぜか心もとなさそうな「がれきは安全」の言い回し

ただし、この災害廃棄物の受け入れにつきましては、何といいましても、市民の皆さんの安全安心このことを第一としましてですね、受け入れていきたいということで、先般試験焼却も行ったところでございますけれども、その結果については、専門家からもですね、評価を頂いて、安全上基本的に問題がないというご意見も伺っているところでございますし、実際に試験焼却の前後でもこの焼却灰・飛灰のですね、検査をやっておりますが、えー、そういったいわゆる災害廃棄物が入っていない場合のセシウムの濃度と比べてもですね、さほど大きな違いはないというデータも出ているところでございます。

昨年暮れに大槌町を視察して木くずが無いことを見逃す

えーっと私、昨年の暮れにですね、この岩手県の大槌町を訪問をしてまいりました。被災地はこの津波の被害を受けた地域全体が、まったく、さすがにまあ廃棄物等は綺麗に片づけられておりましたけども、まったく復興といいますか、そういう様子がなくて被災されたときの状態のままでございました

震災廃棄物についても、町内でそれを置いておく場所がないということで、隣の山田町というところでですね、この破砕なりあるいは分別なりですね、そういう作業が行われているという状況を見てまいったところであります。

大槌町民は本当に町長が言うような楽天家なのか

それから、大槌町の町長さんともお会いをいたしましたが大槌町ではですね、その、いろいろ心配されている放射能、放射性物質のレベルについてはまったく自分たちは問題ないと思っており、そのことを気にかけている町民は一人もいないというお話もですね、伺って参ったところでございます。

職員派遣がどう支援につながるのか見えてこない

えー まあもう一つは、大槌町はですね、町役場の幹部の皆さんをはじめとして、多くの町の職員が津波の被害に遭われまして、町長はじめ、課長以上の管理職もすべて亡くなられたという状況だということでございましてですね、とにかく職員の手が足りないと、職員の派遣についてお願いできないかということも承ってまいりましたので、今後ですね、この点についてもいろいろ相談をしてまいりたいというふうに思っているところであります。私の方からは以上です。

国定市長
はい、ありがとうございました。それでは続きまして、長岡市長さんの方からお願いいたします。

(3)長岡市…8千ベクレルの正当性をいう長岡市長、がれき獲得を喜ぶ

要約

  • 全国各地で、国が定めた8千Bq/kgの基準に基づき、がれきを「どんどん燃やしている」ことを県民はもっと知るべきで、100Bq/kg以下という基準は全国にほとんどない。
  • 長岡市からは栃尾地域の住民を主として70名の市民が大槌町に行って交流した。これは大きな財産である。
  • 新潟の取り組みは遅れたが、長岡が処理するがれきが残っていてよかった。新潟県ががれき広域処理の空白地域にならずに済んだ

新潟県のがれきに対する態度は固有で特別という主張

長岡市・森市長
えー、長岡市はご承知のように、中越地震をはじめ数々の災害で全国から支援を受けて、今立ち直ったわけでございます。ですから、私としては、常に被災地を見て被災地に対して何ができるかということを考え続けてまいりました。

で、そのがれきの問題もどうも新潟県内だけで議論をする傾向がある。これは私も含めて、皆さんにもぜひお考えいただきたいことでございます。

8千Bqでどんどん焼却という「告発めいた啓蒙」の恐ろしさ

今あの、100ベクレルの安全を柏崎市長がお話ししたのはその通りでございますが、何よりも雄弁に物語っているのは、8000ベ クレルという基準は、国が法令で定めた基準だということです。その法令に基づいて、震災がれき受け入れ〇〇と、これをですね、知らない県民が随分多いんです。

ご覧になってわかるように、東北地方を取り巻く青森・秋田・山形・群馬・栃木・茨城・埼玉・東京、すべて実施しているわけです。このことを知らない県民が、私は多すぎると思います。

しかも我々の量を上回る量やっていると。しかも、基準で申し上げますと、いまお手元にお配りしたこの資料ぜひ見ていただき たいんです。現在震災がれき受け入れは、試験焼却も含めて100自治体、施設数113です。このこと、ほとんど県民知りません。本格受け入れは85自治体92施設です。どんどん燃やしてます

8千ベクレル基準で燃やしている自治体がこんなにある

しかも、燃やしている基準は秋田県・茨城県・東京都・栃木県・群馬県・静岡県・福井県は8000ベクレルで燃やしています。山形県は4000ベクレル。三重県・大阪府は2000ベクレルと続きますが、100ベ クレルというのはもっとも厳しい基準だということをまずご認識いただきたい。皆さんにじゃなくて、市民をはじめ県民にご認識を頂くようにご協力いただきたい。

で、なおかつ申し上げますと、私は、もっともご恩返しをしなければならない長岡市がですね、これがまあ震災がれき広域処理の〇〇を図にしてあります が、100ベクレルと8000ベクレルがこれだけ差があるということを視覚的にやっているわけです。

100Bqが安全だというプロパガンダが無かったことにする長岡市長

こんなもの失礼かもしれませんからまあ、テレビカメラに映ることを期待してやってます。(笑) ぜひ映していただきたいです。(フリップ掲げながら満面の笑み。)

すでにやっていただいたのは何度かございますけれども、やっていただいてない各社はぜひお願いしたいです。これをわかった市民はみんな、何だ新潟だけ特別じゃないかということをおっしゃいます

長岡から大槌町へ行った70名の市民の内訳と視察内容が気になる

で、以上でありますが、この私のところは何と言っても中越地震をはじめ、大規模な災害で全国から支援を受けてきたので何とか恩返しをしたい。しかも大槌町には栃尾の住民主体で約70名が現地に行っております。現地に行って、町民と交流しております。

で、この交流は大事にしたいと思っています。それは栃尾の住民、まあ、長岡市民、栃尾を主体にした長岡市民と大槌町の町民との交流は、私は継続的に行っていきたい。現地に70名行っています。現地のがれきをずっと確かめてきてるんです

県知事気取りの発言と「がれきが残っていてよかった」の暴言

で、そういう中で今回量が減ったことについて申し上げますと、私は、この図を見ていただくと分 かりますけれども、気がついたら新潟だけやってなかったというそういう事態を避けることができてホッとしております

長岡は20ベクレルという極めて少ない数値になりますけれども、それでも…19.5t、約20tという極めて少ない数値でありますけれども、それでもきちんと東北地方に手を差し伸べて、がれき処理をして恩返しをしたと言えるということは、私は誇りだと思っております。それは次の世代に続く子どもたちにもきちんと伝えることができる誇りだと思っております。そういう気持ちで今後進めていきたい。

ですから、がれきが減ったことにびっくりしている暇はなくて、残っていてよかったと。長岡市はまだこれから議会へかけるんですが、たとえ19.5トンでも長岡市が本格焼却できるがれきが残っていて本当によかったと思っています。これはもう、新発田市新潟市さんに申し訳ないけどね、長岡が新発田新潟の代わりにやらしていただくという気持ちでございます。

20トンのがれき焼却を歴史に刻む業績と考えるお気楽ぶり

以上が主な話でございますが、私はさきほど申し上げましたけれども、今後議会に掛けて、いかに新潟県の100ベクレルが安全かということきっちり説明…説明というか住民に浸透しておりますけれども、それでも議会に諮って、栃尾の焼却場の処理能力からみて、約20トンを〇〇処理させていただきたい。そのことによってきちんと、長岡市はきちんと対応したということを歴史に刻みたい、このように思っております。

その映画上映がどう復興に結びつくのか

なお職員派遣は私が実施いたします。約70名 の市民が大槌町へ出掛けていって、町民と交流しているわけでありますから、これを継続的に実施するという意味で職員派遣、それから、来年度予算でさまざま な交流事業を実施しますが、まあ一つ〇〇なことを申し上げますと、映画「この空の花」の上映会を実施したいとこのように思っております。こういうことを皮切りに継続的に大槌町と長岡市の絆を築いていきたいとまあ、考えているところであります。私からは以上です。

国定市長:
えー、ありがとうございました。続きまして、新発田市長さんお願いいたします。

(4)新発田市長…当たらず障らずの采配で現物着手前に計画終了の賢さ

新発田市です。新発田市はあのー3.11以降、次の世代にあの当時の日本人は偉かったなぁそう言わしめようよとそんな思いでずっと、自分たちの できる範囲内で支援をずっとやってまいりました。お陰様で新発田は最近災害というような大きな災害はございませんでしたけれども、古く言えば41年(※途中録画切れで文字起こし中断)

被災県の皆さんの物産販売をずっとやってまいりましたので、今年度も、今年もまたそれは拡充するような形で事業してきたいなぁとそんなことを考えております。以上でございます。

国定市長:
ありがとうございました。それではあの、再び今度は個別市ということで新潟さんのほうからお願いいたします。

(5)新潟市・篠田市長…がれきをネタに県政に口出しか

要約

  • 新潟市は、鉛・水銀の基準値超過という「固有の問題」で遅延し、焼却ができず残念
  • 新潟県が広域処理の空白エリアにならなくてよかった
  • 側面支援として5市の取り組んだ広域処理の正当性を今後も広報する
  • 今後は「食の陣」「酒の陣」などを活用し東北の食品を売ったり、販売支援をする

新潟市で瓦礫が止まったのはやはり鉛・水銀の基準値超が原因

新潟市の固有の問題、鉛・水銀が基準値を超過したということでご心配をおかけしましたので、これについては我々は厳格な分別、これを市民運動でいま展開中とそういうなかでどういう数値になっているかということを周辺の住民の方にお知らせしていく、また公害防止協定で必要なものを見直していくというこの動きは、災害廃棄物の処理、新潟市では残念ながらしないで終了ということになるわけですけど、それとは関係なくしっかりとやっていきたいと、情報開示ということに努めていきたいというふうに思っております。

基準値超え隠蔽の経過に口を拭い、新潟県を「心配」

えーまた、新潟県固有の状況と。まさに、えへー、長岡市さんが作ってくれたこのパネルの通りであります。えー、このことについてはやはりいろんな方から、新潟県は出すものは出すけれども、入れるものは入れないのかというかなり批判的なお話をいただいております。

えー、今回3市が本格受け入れをやっていただけるということで新潟県が災害廃棄物の広域処理の空白エリアにならなくて、本当にありがたい、というふうに思っております。

がれき止まっても「広域処理の正当性を今後も広報」する新潟市

ただ今後も新潟県特有の状況は続くかもしれませんので、これについて、私ども直接広域処理に携わらないわけですけれども、側面支援ということで新潟市民・そして県民に、全国的にはこういう状況なんですということはしっかりと、まあ伝えていくと、いうようなことも側面支援のひとつかな、というふうに思っております。

新潟ブランドの危機を招きかねない薄っぺらな「東北支援」

またそれ以外の支援については、今まで宮城県、特に人的支援については仙台市さん、石巻市さんを中心にやってまいりました。福島の方からは今も2500人 近い方が避難、これを受け入れているということで支援する姿勢は明確になっているわけですけども、今後は岩手県さんとの連携・支援ということを、さきほど申し上げたように職員派遣、あるいは大槌・山田の特産品を、食の陣あるいは酒の陣などで受け入れて、こちらが代理販売をすると。

あるいはおいでいただいて 交流をしながら販売をしていただき活性化、少しでもお役にたつというようなことを、いろんな機会をとらえてやっていただきたい。いうふうに思っております。えー、以上です。

国定市長:
ありがとうございました。えー最後に私ども三条市の状況等についてお話をさせていただいて、皆様方からご質問をお受けしたい、というふうに思っております。

(6)三条市…5市連携に誰よりもこだわり、「成果」と今後の展開をアピール

要約

  • 広域処理が予想以上に進んでいてよかった
  • 5市連携で広域処理が決定できてよかった
  • 今後も震災廃棄物の広域処理のみならずできる範囲の協力を一致団結しながらやっていこうと確認

5市連携の成果が何より気になり大事らしい三条市長

えー私ども三条市の方では、昨年の12月 の定例会におきまして、えー本焼却の補正予算を頂戴いたしまして基本的には受け入れ可能な状況を整えてきたわけでございますが、これまで各市長さんおっしゃられました通り、基本的には東日本大震災からの復旧・復興のためにご協力するという中で、大変ありがたいことに、各市におきましてその一番の足かせのひとつというふうに言われておりました震災廃棄物の処理状況が、想像以上に前に進んでいるというような状況のなかで、まあ、岩手県さんからこのたび300tというご提示をいただいたわけでございまして。

改めて、これは5市の中でどこの市がやったとかやらないとかっていう話ではなくて、5市それぞれが置かれている状況のなかをそれぞれが本当に胸襟を開きながら、これまで通りの話し合いをさせていただくなかで、それでは三条市も含めまして柏崎市さん、長岡市さんともども、3市の方でこの、岩手県さんの方からご指摘をいただきました300tにつきましてこれはそれぞれの単独市の状況というこということではなくて、5市連携の中でこれは受け入れをさせていただこう、ということで今般決定をさせていただき、本日このような形で皆様方にご披露申し上げたところでございます。

これは震災廃棄物の広域処理そのものの形ではなく、今ほど来、各市長さんからもご指摘いただきました通り、私ども5市は、昨年の3月31日 の共同記者会見以降足並みを揃えてやってきたわけでございますし、そういうなかで、これから先も震災廃棄物の広域処理のみならずできる範囲の協力ということをまた一致団結しながらやっていこう、ということでも併せて確認をさせていただきながら本日の記者会見、開催させていただいたところでございます。

三条市といたしましても、たまたま状況として、震災廃棄物の広域受け入れの先陣を切らさせていただくと、こういう状況にはなるわけでございますけれども、引き続き4市の皆様方と足並みを揃えて取り組んでまいりたい、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

えー 以上で、私どもの方からご案内申し上げます状況につきましてご報告させていただきました。皆様方から、ご質問を頂戴したいというふうに思っております。 えー報道機関名を先に仰っていただいてから、ご発言をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。


(7)[質疑応答]…新潟日報と篠田市長の阿吽の呼吸が際立つ

読売新聞 要約

  • ・新潟市長→新潟市が一旦立ち止まったことで「新潟県固有の問題を浮かび上がらせることができた」
  • ・長岡市長→市民70名が大槌町へ行き、商工会などががれき焼却に賛成を表明してくれた
  • ・長岡市長→市民の理解が進み、20tを焼却できるのでうれしい
  • ・三条市長→広域処理を契機として、さらなる支援に向けて歩を進めていくということが大切
読売新聞の〇〇と申します。(※市長の咳で聞き取れず。この後もこの女性記者の声はくぐもっていて、なかなか聞き取りにくい。三点リーダー部分は聞き取れなかった部分。)

今回環境省が…………が大幅に減り、最終的には3市のみでの消化となりました。これは全国が……の規定があったことで少なくなった結果であり、それは良いことであると思うんですが、去年の3月31日に表明してから、県内では知事との兼ね合いもあり、ここまで本格受け入れ含めて遅れ、最終的に他県に遅れてのスタートとなり、その結果3市のみということになりました。その点についてそれぞれの市長さん………お話いただけますでしょうか。

隙あらば県を批判しようとする新潟市長

〇新潟市・篠田市長
あのー私どもとすれば、やはり市民の皆さん、特に施設の周辺の方々に、やっぱり少しでも安心感を持っていただきたい、広げていこうという努力をしてきたわけ ですけれども、なかなか新潟県固有の問題というものが、マスコミなどもなかなか報道いただけなかったということがあります。

そういうなかで、ま特に新潟市 は、試験焼却、一旦立ち止まるということにさせていただき、ま、これについては大変残念でしたけれども、ま、ごり押しはしないんだと、いうことで新潟市の姿勢、一旦立ち止まることで逆に新潟県固有の状況が浮かび上がったという部分もまあ、恐縮な言い方ですけれども(笑)やっぱりそういうことはあったというのが事実だと思います。

えーまあ、こういう環境の中で、5市がスクラムを組んだからこそ、ここまで来れたんじゃないかというふうに思ってます。

柏崎は県を挑発することより焼却をやり遂げることを重視か

〇柏崎市・会田市長
えー当初の算定量といいますかね、これに比べてまあ、時間が経ってきて、いろいろ精査をした段階で、まあ当初の見込みが少し大きかったということと、それから今お話のように、全国的に受け入れが進んで、処理がかなりまあスムーズというかどうかわかりませんが、かなり早いスピードで進んできたということだと思っています。

まあ私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、市民の皆さんへの理解を得ながら、安全安心を第一に進めてきた結果でござい ますので、敢えて言えば残された、私どもに与えられた震災廃棄物、これをしっかり受け入れさせていただいて、処理をしていきたい、ということでございます。

焼却に賛成したのは商工会など?

〇長岡市・森市長
あの、まあ長岡市は栃尾の処理場ということで、長岡市固有の問題がありましたんで、非常に手間をかけて説明をいたしました。述べ17回、全栃尾地域にするなど、まあ手間をかけました。

で、私は今になって思うと、その手間をかけて説明をしたことは大変良かったと思っています。で、先ほども言いましたけども、その丁寧説明する過程の中で、住民の方が本当に70名も大槌町に行ってくださいました。でその中で大槌の実情を地域でいろいろ話をしていただきました。

またその中で、商工会や〇〇会や各所(?)団体が賛成の表明もしていただいてます。で、それは手間がかかって量が少なくなった、でもっとありていに言うと、静岡県が1300トンもこれから焼くわけです。新潟は300tで非常に残念だという思いはありますが、丁寧に説明をして、できるだけその摩擦なくやれるということ、それから放射能に対する理解が非常に深まったという面もございますから、まあ、そういうことをとやかく言うんじゃなくて、まあ何とか間に合ったと。

それで一番やらなければならない長岡が量は少ないけれども貢献できるということが本当にうれしいことだと、それだけ申し上げておきます。

そつのない新発田市長

〇新発田市・二階堂市長
まあ、新発田の場合は、新発田の事情がありました。炉の関係でありますけれども、当初から、受け入れることになったとしても、4月から8月(?)までの間だと、まあこういうふうにやってます。

まあそういう意味では少し時間的な余裕があったもんですから、その分は職員についても丁寧に対応していこうよと。まあこういうことです。結果としては4月前に……の廃棄物が……ということですから、私どもの場合は計画通りに進めてきたと。その前に処理が終わったと。こういうことであります。

5市連携の今後の展開をさかんにチラつかせる三条市長

〇三条市・国定市長
まあ、最後三条ですけれども、まあ今ほど来、市長さん方が仰られたとおりでございますが、まあ基本的には広域処理を受け入れる動機になったのは、これはもう被災地支援でありますから、えー被災地支援の動機になっているその、木くずの少なくとも100ベクレル以下のものがそれだけ受け入れ量が少なくなったということは、歓迎すべき事態でございますので、引き続き……観点、被災地支援どういうふうにあるべきかということを、まあ昨年来5市 一丸となって取り組んできたところでもありますので、引き続き各市長さんともご相談させていただきながらやっていきたいなと。

こういうことでございますし、さきほどの長岡市長さんがお示しをいただきました地図にもありますように、ま、結果としてですね、昨年もう少し早いタイミングでこの囲まれている新潟県が他の県と同様にですね、貢献できるという状況が望ましいという状況ではありましたけれども、まあそこはやはり、多少ですね、私どもとしても残念な思い でありますが、だからこそこの広域処理をひとつの契機として、さらなる支援に向けてですね、歩を進めていくということが大切なのかなぁというふうに感じて おります。

〇長岡市・森市長
一個補足すると、長岡の場合は、あのー住民同士のきずなができたのが一つの財産だと考えておりますのでね、がれきのことだけでものは考えない。 もっと幅広くこれからも継続的に支援をしていけるようになったということは、ま、時間をかけたひとつのまあ、プラス材料になったのかなあというふうに納得しているところでございます。

(8)メディアでありながら露骨な知事批判を質問に込める新潟日報

要約

  • 記者→知事の名前も肩書きも挙げることなく「新潟県固有の問題を生じさせた方」と表現する奇異な質問を行う
  • 前掲の記者の奇異な質問に対し、日報出身の新潟市・篠田市長はそれが誰を指すのかを確認することもなく回答を開始、知事選のために言いたいことが言えなかった旨を主張し他市長も同調笑い
  • 新潟市長→「運動家・活動家と一般住民の区別もしっかりついてきた」のでこれからきっちりやれると考えていた矢先に終了となった
  • 長岡市長→新潟市には申し訳ないが、長岡はがれきを焼ける

知事を揶揄する新潟日報とOBの新潟市長の暗黙の了解が凄すぎる

新潟日報です。こういった状況についてですね、改めてなんですが、新潟県固有の問題を生じさせた方についてなんですけども(※一同笑。慣れあいの変な空気。)、

新潟市長:
(※指名もされないのに話し出す、新潟日報OB・篠田市長)まあ、これについてはですねー、あのー私ども別に、知事に対して、直接やりとりをするというようなことをやらずに、全国の基準として全国がそれに従っている法的な根拠、これを我々が県民にもう少し知らせる力が少し弱かったと、まあそれは(笑) 時期的な問題を言えば、知事選挙というものもあったわけでございますので、(長岡市長が笑う。篠田市長もさも可笑しそうに笑いながら)そういう中で市民に理解を広げるというのはなかなか難しかったってのが新潟の実感です。

三条市長:
ほかの市長さんで補足的に申し上げることはありますか

「法令」を盾に8千ベクレルをしつこく引き合いに出す長岡市長

長岡市長:
(※広域処理の地図フリップを掲げながら)これをね、あの気がついたのは私自身も結構遅かったと反省しているんですよ。これですね(※8千ベクレルと100ベクレルの比較フリップを出して)というのは私自分の反省………とねー、あのー静岡県の島田市がですね、100ベクレルという基準でやりましたということは全国ニュースに一回なってて、試験焼却の100を基準にしましてですね、100以下だから安心したってことが、あれは5月か4月ごろか5月か6月ごろですね、それが全国ニュースになっていて、私自身の頭の中に100というのはそれなりに全国的にも標準的なものかなぁという思い込みがありましたよ。

だけど、……しかしきちんとある時点に精査をしたときに、実はこれは新潟だけが100なんだと。まあ富山が同じ100ですけど、100以下なんてめったに見当たらない、秋田は8千ベクレル、山形は8千ベクレル、群馬栃木茨城福島埼玉東京は8千ベクレル、静岡県も島田は最初こういうことやってましたけども、8千 ベクレルで焼いてましたね。浜松だけです……はね。

そういうことをもっときちんと皆さんに早めにお知らせすればよかったというふうにも思いますが、このこ とを栃尾地域にきちんと丁寧にお話しする中で、ああそうなのかということで理解となったのは事実です。よかったと。だからそれはいろいろあったけれども、 いろいろあったけれども間に合ってよかったということですね。

それから、8千ベクレルは法令で一般廃棄物として扱っていいという基準なわけです。私どもは法令に従ってやっているわけです(笑)ね。法令に決められたことがダメだということになりますと、それは国とか8千ベクレルで焼いている都道府県知事とかに言っていただきたいという思いがございました。5市に言われても私らは法律に基づいてやっているだけだというふうにお答えするしかないということです。

新潟市長:
ほぼすべて代弁なすったようでございますけれども。

台本があるの?の邪推を誘いそうな新潟日報と篠田市長のやりとり

新潟日報記者
篠田市長にお伺いしたいんですけれども、新潟市が保管している19.5ト ンについて、これをまあ長岡市さんにお任せするということですが、長岡市さんの方は焼いてよかったというふうに思っているという、逆に新潟市さんの方はや れずに残念な思いというのはあるんでしょうか。あと自分たちで自前で焼こうということは検討されなかったんでしょうか。

新潟市長:
まあ、一旦立ち止まったお陰でですねぇ、かなり周辺の住民の皆様あのー全体の理解が進んだと。まあ今が一番本格受け入れに良い環境になってきたというふうにこの年明け以降思っていたんで、まあそういう面では大変残念で、また申し訳ないと。やっていただく3市 の皆さんに感謝を申し上げるという気持ちです。

まあ、我々も運動家・活動家、それち一般住民の区別もしっかりついてきたんで、これからはきっちりできますよという体制が整っていただけに、まあ新潟市としては残念なんですけども、全体として処理が進んだことは、まあ基本的に良いことなんで、そういう中で私ども が新潟市としてはできませんけども、新潟県、県内3市がやっていただけるということについて、ありがたい、こういうふうに。

がれきを焼けることが本当にうれしそうな長岡市長

長岡市長:
あのー私はあのー新潟市さんには申し訳ないなぁとあのー申し訳ないってのは変なんだけども、長岡は少なくとも焼けるわけですから、まあそうですね、申し訳ないという気持ちはありますが、ただ5市で相談をして、3月中には終わらせるということですから、それはやっぱり3月11日で2年を迎えるわけでありますから、ちょうど2年を迎えるときに、やっぱり終わらしてやりたいという気持ちが強うございますので、まあ2月3月泣いて頂いたという気持ちでございます。

(9)今後の処理スケジュールを質問した共同通信

要約

  • 新潟市長→今後のスケジュールについて細かく知らせると「活動家・運動家が頑張るかもしれないので」言えない
  • 長岡市長→議会に掛ける前なので言えない

共同通信のまじめな質問にははぐらかし姿勢

焼却を始める3市に伺いたいんですけれども、細かなスケジュールで決まっているものがあれば伺いたいのと、新潟から長岡への移動っていうのも……と思うんですけれどもその……(※聴こえない)

長岡市長:
あのーうちはまだ議会に掛けてませんのでね、2月に議会に掛けて、3月に焼くとすると、約20tという計算でやってましたんでね、それを………

記者:それまでは新潟市で一時的に保管

新潟市長:
まだタイムスケジュールをねー事細かにお知らせすると活動家運動家が頑張るかもしれないので、(笑)今のところはちょっと…

長岡市長:
私はそれもあるけれども、そういうことよりも議会に掛ける前にそういうこと言いうわけにいかんでしょう。

新潟市長:
長岡市さんと密に連絡とって、しかるべきときに運び出させていただくと。

三条市長:
私の方でまとめて。柏崎市さんと私どものほうはですねー引き続き大槌町さんのほうから受け入れるというような形をとりますので、どうしても運搬のルート等調整を取って行かなければならないという状況でございます。

ま、今ここまで迫ってまいりますと、当初予定として申し上げておりました1月中に第一便をというのはちょっと難しい状況かもしれません。まあ引き続き一番大きな役割を担っていただくのが鉄道輸送になるところでございますので、当該事業者さんともそして柏崎市さんとも十分連携を取りながらですね、進めていく、こういうことです。

記者:同時進行と?

三条市長:基本はそう思っていただいて結構です。

記者:わかりました。

(10)日本経済新聞は、今後がれき以外の分野で展開される5市連携について質問

要約

  • ・記者はすでに述べたこと以外の支援を質問したが、各市長とも繰り返しにとどまる
日本経済新聞ですが、あのーその他の支援の部分ですが、すでに会見の中でもいろいろおっしゃってますが、それ以外に具体的に決まったものがある市がありましたら、お教えいただければと思います。

長岡市長:
市長の方針としては、長岡市は職員を派遣する方針です。それと来年度予算で「この空の花」の上映とか、そういう住民同士の交流を続ける事業を展開 します。具体的に私の頭にあるのは映画の上映ぐらいでしょうかね。だけど先ほど言いましたけれども、私のところは他市と違って70人も住民が行っておりますのでね、それは私のところの財産だと思って、大事にしたいということであります。

新潟市長:
私どももさっき申し上げた岩手県への職員派遣、そして新潟市で開催される食の陣、酒の陣、あるいは4月から6月のぷれてーしー?こういうものに物産販売我々がやらしていただいても結構だし、おいでいただいても結構ですよ、ということで呼びかけていくということにしてます。

三条市長:
ま、基本的には復興支援ですから、被災地がどういうふうに思っていただくのかということが一番大事ですので、これから5市でまた連携取りながらですね、被災地のご意見を伺いながら、当然進めていくということになるんだと思います。
?
毎日新聞
今回の震災がれきの処理の引き受けは、反対住民などの……大変だったと思うんですけれども、新潟市さんと新発田市がやらないということで、今後…(※聞き取れない。女性記者はみんなモゴモゴだなぁ。)

新潟市長:
新潟市はさきほどもした新潟市固有の水銀・鉛の問題、これの状況説明をやろうと思ってましたんで、その時に合わせて今回の結論についても、これは 施設周辺の住民の代表の方ということになりますけれども、その方たちにお集まりいただいて状況説明と結論の報告ということをやろうと思ってます。
?
朝日新聞
震災がれきの管理方法について、知事が5市との協議の……(※聴こえない…知事が求める協議に応じるつもりがあるかどうかの質問だった模様)

三条市長:
三条市はありません。一般廃棄物の処理権限は市長にありますから。これは再三再四申し上げていることであって、そこに知事が仰られるということは理解に苦しみます。以上です。

柏崎市長:
県との関係はこれまでも5市 の協議の中にも事務方入っていただいて、いろいろ相談をしてきたわけでありますし、必要があれば今後もですね、やるということになりますけども、私どもは この震災廃棄物の焼却灰、これについては放射性廃棄物ではなくてあくまでも一般廃棄物であるという考え方でですね、今後も対応していくということです。

新潟市長:
今まで事務方で協議しましょうというのが知事がおっしゃっていたことで、具体的なアドバイスがあれば私どももいくらでもお受けしますよと、いうことだったわけで、それ以上アドバイスが出てくるものではないんじゃないかという、これだけ時間が経っているわけですから。

長岡市長:
長岡市は別に協議したいとも言われいませんし、長岡市の場合は事情がありまして、栃尾の最終処分場がかなり優秀なんです。屋根がかかっていてコンクリートのピットがあって、漏れますと……するという全国一の処理施設を持っていておりますので、たぶんそういう(県が協議したいという)お話にはならん のじゃないかと。今のところそういうことを言われておりませんので、ご返事のしようがございません。

三条市長:
それでは大変申し訳ございません、こういう時節柄そもそも記者会見の時間が遅れましたことをお詫び申し上げますとともに、それぞれのお時間もあるという状況のなかでここで記者会見終了させていただきたいと思います。

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